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エミール著者「ルソー」、3分で読める”わかりやすい”解説

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ルソーとは

ルソー(ジャン・ジャック・ルソー)とは、1700年代のフランスの哲学者、政治哲学者、作曲家。現代の教育学や発達心理学に大きく影響した人物です。

画像 Wikipedia Jean-Jacques Rousseau (painted portrait)

主な著書は、「社会契約論」や「エミール」等。

 

1700年代はじめ、当時のこどもは「小さなおとな」として扱われるのが当たり前。当時のこどもは「未完成のおとな」でした。労働もさせられるし、奴隷のような存在。ルソーはこの考えに反対し、著書「エミール」にて、「子どもは子ども」であることを初めて主張した人物。エミールのなかでルソーは、こどもは独自で自然、なおかつ無垢な存在であることを訴えた。この書物がきっかけで、ルソーは「子どもの発見者」とよばれるように。

 

ルソーの思考は、後の教育学に影響を持ち、ペスタロッチカント等も彼の思想に影響を受けている。

 



子どもの発見者と呼ばれることになった著書「エミール」

ルソーの代表的な著書「エミール」は、エミールという貴族の少年をルソーが教育係として育てつつ、エミールの成長を通して教育を論じている。

 

ルソーの教育理論のなかで、子どもはみんな善良に生まれてくることが説かれている。同時に、欲にまみれたおとなの世界で育児をすると、その欲の世界に染まってしまうことを危惧している。

 

 

ルソーの述べる教育理論には段階があり、

  1. 乳児期
  2. 幼児・児童期
  3. 少年期
  4. 青年期
  5. 成人

の5段階に分けられている。各成長段階に応じて、エミールの成長と教育論を展開していく。

 

エミールの教育3本柱「自然」「人物」「事物」

ルソーの教育理論には、「柱」があります。それは、「自然」「人物」「事物」の、3つの教育柱です。

 

この3つの教育柱は、乳児期~成人に至るまで意識すべきもの。これらのどれか1つだけが整っていてもダメで、「自然」「人物」「事物」すべてが同じ教育目標に向かって統一されることで、調和のとれた人格を育てるとされています。

 

自然による教育

能力や器官の成長は、「自然の教育」。手で物をつかんだり、食べたり、歩いたりする自然に成長していく部分。

 

人間による教育

自然に成長していく身体をどうつかうのか、を教育するのが「人間による教育」。

  • ティッシュは食べるものじゃなくて拭くものであることを教える
  • おもちゃは口にいれるものではなく、遊ぶものであることを教える

等、こども自身が持つ能力をどう使うか教える部分。

 

事物による教育

自分が体験した出来事、環境のなかで経験したことを通して学ぶことが、「事物による教育」。

例えば、ストーブに触ってヤケドしたことからストーブが熱いものだと学んだり、下り坂を走って勢いよく転んだことから、下り坂は気を付けて降りることを学んだり、など。

 

消極的教育

エミールのなかでルソーは、「消極的教育」が重要と述べました。

消極的教育
「知識を与える前に、その道具である諸器官を完成させよ。感覚器官の訓練によって理性を準備する教育を消極教育と呼ぶ」

 

ルソーの言う「消極的教育」とは、教育者が「あれしなさい!」「勉強しなさい!」と積極的に教育しようとするのではなく、教育の3本柱(「自然」「人物」「事物」)がうまく調和がとれた状態で、子どもの自主性を尊重した育児を推奨したのです。

 

また、子どもが危機に陥っていても、相当なことがない限り手助けしないことも推奨しています。

 

積極的に教えようとするのではなく、教える側が教育に関して消極的な姿勢で挑む。

 

子どもが自ら興味を持ち、考え行動する。失敗し、経験から学ぶ。教育者が教えようとするのではなく、子どもの持つポテンシャルを引き出すような教育。自然な状態で子どもを育てるこの方法を「消極的教育」としました。

 



ルソーの影響

ルソーの影響を受けた人物として有名なのが、カントです。

カントは「人間とは教育されねばならない唯一の被造物である。」「人間は教育によってはじめて人間になることができる。」等の名言を残した、教育の重要性を述べた人物。

 

ルソーは子どもの成長を自然に伸ばす、引き出すような教育論を述べているのに対し、カントは積極的な教育を推奨してます。

 

モンテッソーリもルソーの影響を受けた一人です。

 



ルソーと「エミール」のまとめと覚え方

ルソー「エミール」のまとめ

ルソーが書いた「エミール」は、エミールという少年を教育係であるルソーが育てつつ、教育論を解説していく本。

 

ポイント1:教育の段階

  1. 乳児期
  2. 幼児・児童期
  3. 少年期
  4. 青年期
  5. 成人

の5段階がある。

 

ポイント2:教育の3つの柱

ルソーが教育で重要としているのは、

  • 「自然」
  • 「人物」
  • 「事物」

の、3つ。

これらの調和がとれることで、子育てがうまくいくとしている。

 

ポイント3:消極的教育

教育者が教えようとするのではなく、成長と自然に任せて教育する「消極的教育」。

 

ルソーの主な著書

  • エミール
  • 社会契約論
  • 人間不平等起源論

 

ルソー「エミール」から出た主な名言

  • どんなものでも、自然という造物主の手から出るときは善であり、人間の手に渡ってからは悪となる。
  • 私たちは、いわば二回この世に生まれる。一回目は存在するために、二回目は生きるために。(これ、有名です)
  • 教育とは自然の性、すなわち天性に従うことでなければならない。国家あるいは社会のためを目標とし、国民や公民になす教育は、人の本性を傷つけるものである。
  • アクセントは会話の生命である。アクセントは会話に感性と真実を与える。

ルソーのポイントと覚え方

ルソーは教育学を学ぶうえでとても重要な人物です。

特に「エミール」は、ルソーが「子どもの発見者」といわれるようになったきっかけでもあり、エミールが出版されるまでの「子どもの教育」に関する常識を覆したからです。ルソーは教育学の歴史上、超重要人物。教育系の試験を受けるひとは、必ず覚えておきましょう。

 

ルソーに関して覚えておきたいキーワードは、

  • エミール
  • 自然・人物・事物による教育
  • 消極的教育
  • 「未完成な大人」と「子どもの発見者」

の4つ。

 

消極的(消極的教育)なルソーはエミ(エミール)ちゃんが好き

消極的なルソーがエミちゃんに恋をしているイメージ。

 

ルソー、自然な人事部(自然・人物・事物)で働く

ルソーが自然にあふれた人事部で就職します。

 

子どもを発見(子どもの発見者)るぞー(ルソー)

今から子ども探しに出かけるルソーのイメージ。

 



エミールを30分で読み解くなら

エミールをすべて読破しようと思うと、すごく時間がかかります。広範囲に問われる試験を受ける場合、ルソーだけ集中的に勉強するのは時間が足りない。でも、ルソーは保育などの試験では頻繁に出題され、どの方向から出題されるかわからない人物でもあります。ルソーの主作である「エミール」は、点取り問題なので、できるだけ全体を把握しておきたい。

 

長文の本を読むのは時間がかかるけど、「エミール」をよりわかりやすく、短く集約したマンガ編「エミール」なら、30分でエミールの全貌を理解することができます。本を一度通読していれば、エミール全体のイメージが頭に定着するので、保育士試験を受けるなら、一度は読んでおいていいかも。

 

だいたい30分ほどで読むことが出来ます。kindleで400円代です。

 

 

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