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保育士保育指針

保育所保育指針の改定(平成30年4月)に伴う、保育士試験の対策ポイント

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平成30年4月、すべての保育所が運営の基盤としなければならない「保育所保育指針」が改定されました。保育士試験の内容すべてのベースでもある保育所保育指針は、保育士試験をうける受験生が注目しておくべき指針改定です。平成30年度保育士試験と直近の保育士試験では、この改定された保育指針が出題される可能性が高いでしょう。また、保育士指針が直接出題されなくとも、最新の保育士指針に則った問題が出題される可能性がありそうです。保育士試験に挑戦する受験生は、改定された保育指針の内容を理解しておくことが重要でしょう。

この記事では、改定された保育指針の改定ポイントを紹介しています。保育士試験の対策に活用してください。

 



保育所保育指針とは

保育所保育指針とは、全国の各保育所において、基本的な基礎となる運営事項を定めた「ルール」です。

 

全国にある保育所は、各保育所の理念や目標に基づいて運営されます。保育所ごとの個性や特色を尊重し、ある程度の運営方式は各保育所にゆだねられるわけです。ですが、保育所運営するうえですべての事項を各保育所にゆだねてしまうと、保育所毎に保育の質に差ができたり、ときにこどもの健全な成長によくない影響が起こることもあります。そうならないために、保育所の運営をする施設には、保育所保育指針が定められています。保育指針は、すべての保育所・保育士に対するルールのようなものです。

 

この保育所保育指針は、10年に1度改定され、改定した新しい指針を6年継続して評価し、再度改定が検討されます。時代に応じて、保育所保育指針は改定されていくのです。

 



保育所保育指針:平成30年4月から改定された内容とポイント

平成30年4月、保育所保育指針は改定されました。主に改定されたポイントは以下の通りです。

 

0~3歳の保育、内容が充実・・・発達に応じた保育を

今回の改定では、3歳未満の保育の意義をより明確化し内容を充実させています。

 

そもそも、生まれてすぐの赤ちゃんから2歳までの子どもは、心身が著しく成長する時期。この時期の子どもは、遊びや人との関わりを通し学びの芽生えを習得します。この時期は、こどもの人生の学びの出発点になる時です。人生のなかでも、以降の成長に影響をきたす「3歳未満」の保育。この部分をより明確化して、より成長に応じた保育が提供されるよう充実化をはかりました。

特に乳児期は、あらゆる発達が未分化な時期です。乳児がその後よりよい成長をするためにも、「健やかに伸び伸びと育つ」「身近な人と気持ちが通じ合う」「身近なものと関わり感性が育つ」の3つの視点から保育内容が整理されています。以前の指針よりもいっそう保育現場で取り組みやすい指針に改定されました。

 

 

保育所保育が幼児教育を行う施設として制度を改定

3歳以上の保育について、目標や内容・方法を、幼稚園や認定こども園と極力同じ内容であることを目指して、整合性を図りました。今回の改定で、保育所は「幼児教育を行う施設」という定義が加えられ、保育所が幼児教育施設であることが公言されました。

 

同時に、幼児教育のなかで「育みたい資質・能力」を明確化させ、その内容として「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」の3つがあげられています。この資質と能力を得ることで、小学校就学時に習得しておいてほしい10の能力が、「幼児期の終わりにまでに育ってほしい姿」として示されています。

  • 健康な心と体
  • 自立心
  • 協調性
  • 道徳性・規模意識の芽生え
  • 社会生活との関わり
  • 思考力の芽生え
  • 自然との関わり、生命尊重
  • 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
  • 言葉による伝え合い
  • 豊かな感性と表現

保育士は、これらの目標や育ってほしい姿を意識しながら保育計画を立案・実践していくことが必要。これらのことをふまえて、保育計画の作成、評価、改善についても記載が改定されています。

 

保護者・家庭及び地域と連携した子育て支援の必要性

前回改定した指針から、「保護者に対する支援」という章が作られました。「保護者に対する支援」が作られた後も保護者のニーズは変化しています。時代によって変化する保護者のニーズを考慮し、今回の改定で、「保護者に対する支援」の第4章を「子育て支援」に改め、その内容の整理と充実を行いました。

 

健康及び安全の記載の見直し

保育所保育指針の第3章は、「健康及び安全」です。多様化する子どもの生活環境や、近年起こった災害・事故の経緯を踏まえ、今回の改定で「2.食育の推進」や安全な保育環境の確保について記載を見直し、充実を図っています。

 

職員の資質・専門性の向上

今回の保育指針改定後、第5章に「職員の資質向上」が記載されています。

保育士の専門性を向上させること、保育の質を向上させるために必要な組織的取り組みに加え、施設長自身も、その責務や専門性を向上させる必要があることが記載されています。また、内部研修・外部研修参加の必要性、保育士のキャリアパスを見据えた研修計画を作成すべきである、と明記されています。

 

これらの指針改定をもとに、保育士等に対する研修内容や研修の実施方法について、「保育士等キャリアアップ研修ガイドライン」が定められました。(平成 29 年4月1日付け雇児保発 0401 第 1 号厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課長通知)。今後、各保育所ではこのガイドラインに基づいて外部研修を活用していくことが期待されています。

 

参考

厚生労働省:「保育士等キャリアアップ研修ガイドラインの概要

 



保育所保育指針、具体的にどこが変わった?改定部分紹介

平成30年4月、今回の保育指針の改定では、時代の変化やニーズをとらえ、全体的に追記修正が加えられています。改定された保育指針のポイントをまとめました。下記で紹介されるポイントあたりが、出題される可能性があるので、しっかり押さえておきましょう。

「総則」の改定ポイント

  • 「2.養護に関する基本的事項」を記載
  • 「保育の計画及び評価」について記載
  • 改定前の保育所保育指針における「保育課程の編成」については、「全体的な計画の作成」に変更(認定こども園と整合性を調整)
  • 「幼児教育を行う施設として共有すべき事項」として、「育みたい資質・能力」及び「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を、新たに追記

 

「保育の内容」の改定ポイント

  • 「健康・人間関係・環境・言葉・表現」の各領域における「ねらい」「内容」「内容の取扱い」を、乳児・1歳以上3歳未満児・3歳以上児に分けて記載
  • 乳児保育は、「健やかに伸び伸びと育つ」「身近な人と気持ちが通じ合う」「身近なものと関わり感性が育つ」という三つの視点から、保育の内容を記載
  • 年齢別に記載するのみでは十分ではない項目については、別途留意すべき事項として記載

 

「健康及び安全」の改定ポイント

  • アレルギー疾患の子どもの保育、及び重大事故の発生しやすい保育の場面を具体的に提示し、事故防止の取組について新たに記載した
  • 感染症対策や食育の推進について記載内容を充実させた
  • 施設・設備等の安全確保、災害発生時の対応体制及び避難への備え、地域の関係機関等との連携など、保育所における災害への備えに関する内容を新たに記載

 

「子育て支援」の改定ポイント

  • 基本的事項の保育所保育指針の考え方や留意事項が整理され、「保護者が子どもの成長に気付き子育ての喜びを感じられるように努める」ことを明記
  • 保護者に対する子育て支援について、保護者の子育てを自ら実践する力の向上に寄与する取組として、保育の活動に対する保護者の積極的な参加について記載
  • 外国籍家庭など特別なニーズを有する家庭への個別的な支援に関する事項を新たに示した
  • 地域の保護者等に対する子育て支援について、保育所保育の専門性を生かすこと、一時預かり事業などにおける日常の保育との関連への配慮など、保育所がその環境や特性を生かして地域に開かれた子育て支援を行うことをより明示的に記載
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「職員の資質向上」の改定ポイント

  • 保育士の資質・専門性とその向上について、各々が自己研鑽につとめることを記載
  • 保育所が組織として保育士のキャリアパス等を見据えた研修機会の確保する内容を記載
  • 研修の充実を図ることを重視し、施設長の責務や体系的・計画的な研修の実施体制の構築について記載
  • 保育士等の役割分担や職員の勤務体制の工夫等、取組の内容や方法を具体的に記載
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改定以降の保育士試験、改定内容は必ず押さえておくべし

保育所保育指針は、すべての保育所運営の基盤であり、保育士が提供する保育の質の土台となるものです。保育指針が改定されるということは、それにともなって、保育士士試験の内容も変化していきます。保育士試験の出題範囲として、新しい保育指針はもちろん、新しい保育指針にそった問題が出題されていくことでしょう。この記事でとりあげた保育指針の変更点を踏まえ、それに関連する保育関係の知識は習得しておきましょう。

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