ゲゼルの「成熟説」
アメリカの心理学者ゲゼル(Gesell.A.L 1880~1961)は、発達において訓練や学習で一時的に環境的な影響があったとしても、最終的に内的な成熟によって発達が決まると述べた。これをゲゼルの「成熟説」と言われ、発達における遺伝説の代表的理論でもある。
「成熟説」の根拠となる一卵性双生児による実験研究
ゲゼルは一卵性の双子で実験を行った。
- 双子Aには早期に階段上りを訓練する
- 双子Bには訓練しない
階段上りの訓練を受けた双子Aは、階段上りに関して一時的に双子Bよりも良い成績を残した。しかし、一定期間を過ぎると双方の双子の成績は違いがなくなる。
レディネス(心身の準備性)とは
ゲゼルは一卵性双生児による実験研究から、本来もつ能力の内的な成熟をきたすには、十分な発達ができるまでの成長段階である「レディネス(心身の準備性)」ができるのを待つことが重要だとした。
順連や勉強は、レディネス(学習の準備)が十分出来上がったときに始めるのが望ましいとされる。
近年では、レディネスの完成は成熟と経験の両方が関係するといわれている。
ゲゼルの「重要ポイント」
- 成熟説
- 一卵性双生児による実験研究
- レディネス(心身の準備性)